アジア企業の株式の時価総額ランキングです。順位と一覧。2021年9月の株価に基づいています。1位はサウジアラムコ、2位はTSMC(台湾)、3位はテンセント(中国)になっています。米ブルームバーグやスナップアップ投資顧問の資料を参考にして作成しました。

■ アジア時価総額ランキング(2021年9月1日現在)
順位 会社名 国・地域 時価総額
サウジアラムコ

説明 ▼
サウジアラビア 1兆8916億ドル
TSMC
(台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング、台湾積体電路製造)

説明 ▼
台湾 6100億ドル
テンセント 中国 6090億ドル
アリババ 中国 4500億ドル
サムスン電子 韓国 4400億ドル
貴州茅台酒
(きしゅうマタイオイシュ)
中国 3000億ドル
トヨタ自動車 日本 2400億ドル
中国工商銀行
(ICBC)
中国 2400億ドル
タタ・グループ
(タタ財閥)

説明→
インド 2400億ドル
10 リライアンス・インダストリーズ
(RIL)
インド 2100億ドル


サウジアラムコ

国営の石油会社

サウジアラビアの国営石油会社。世界最大の石油会社である。正式名称は「サウジアラビアン・オイル・カンパニー」。サウジ政府の石油政策の前線本部として、油田の探鉱から開発、生産までの上流部門を一手に担う。

石油メジャー5社の合計を上回る

年間の利益などの規模は、米エクソンモービルや英オランダのロイヤル・ダッチ・シェルなど、石油メジャー5社の合計を上回ることが多い。

1933年設立

1933年設立。当初はソーカル(現シェブロン)、後にはエクソン、モービルなども加わったアメリカ系の国際石油資本(メジャー)の現地法人だった。しかし、1972年のリヤド協定から段階的に国有化が進んだ。1988年に完全国営体制となった。

また、かつては石油省の管轄下でガソリンなど石油製品の精製・販売を担当する「サマレック」の上位組織に位置していた。1993年、サマレックを吸収合併した。

2019年に上場。史上最大のIPO

2019年12月、サウジの証券取引所(タダウル)に株式を上場した。約2・8兆円を調達し、史上最大のIPO(新規上場)案件となった。

上場時の株式時価総額は約1兆8800億ドル(約204兆4000億円)。当時最大だった米アップルの約1兆2000億ドルを大きく上回った。上場と同時に、いきなり世界最大の時価総額となった。

サウジアラムコ


TSMC

TSMCは、台湾の半導体メーカー。

漢字の会社名は「台湾積体電路製造」

漢字の会社名は「台湾積体電路製造」。英語の正式名称は「Taiwan Semiconductor Manufacturing Company」。

世界最大の半導体「受託製造」

注文を受けて生産だけを担う「受託製造」の先駆者である。高性能半導体の生産を請け負う受託生産会社(ファウンドリー)では世界最大手。

創業・設立は1987年2月。

創業者は張忠謀(ちょう・ちゅうぼう)氏

創業者は張忠謀(ちょう・ちゅうぼう)氏。英語名は「モリス・チャン」。

張氏は1931年生まれ。10代でアメリカに渡り、名門大学で博士号を取得。米国の半導体メーカーで幹部に上り詰めた。

工業技術研究院の院長

台湾に戻り、行政の傘下にある工業技術研究院の院長に就任した。院長在任中の1985年、台湾政府の閣僚から半導体メーカーを台湾国内につくるよう指示された。

工業技術研究院は、それまでの10年間は集積回路の研究を行っていた。次の段階として、ビジネス面で成果を求められたのだ。

垂直統合型の時代

1980年代半ば当時、台湾における半導体の製造技術は、最先端の水準から2世代半は遅れていた。半導体を設計する技術もなかった。主要市場だった欧米や日本などへの販売力もなかった。

それでも、台湾の半導体業界には良品率が高いという長所があった。

当時は、世界の半導体メーカーの99%は製品の設計から製造、販売まですべてを1社で完結させる『垂直統合型』だった。張氏は、製造だけに特化する新たなビジネスモデルをつくれば、世界市場で勝負できると考えた。

1987年に創業

とはいえ、半導体の委託製造は前例がなかった。創業資金の2億2500万ドルを集めるのに1年近くかかったという。それでも、創業にこぎつけた。1987年に創業してしばらくは競争相手がまったくおらず、我々の独占状態が7~8年続いた。

製造だけに特化し、注文を出す顧客と競争相手にならないことを原則にした。それが大成功する要因の一つとなった。

エヌビディアなどの設計会社から受注

半導体の設計会社から注文を次々と獲得した。世界では1990年代にかけて設計会社が相次いで設立され。米クアルコムの設立はTSMCとほぼ同時期だった。米エヌビディアも1990年代に発足した。設計会社が増えたことで、製造に専念していたTSMCの存在感が高まった。

日本で研究所や工場

半導体需要が高まっていた2021年4月、今後3年間で1000億ドル(約11兆円)を投入して生産能力を増強する方針を発表した。

これを受けて、日本の茨城県つくば市に研究開発拠点を新設することを決めた。熊本での工場建設も発表した。アメリカでは、アリゾナ州での工場建設を発表した。

TSMC


中国企業の時価総額が急伸(2019年)

世界の株式時価総額ランキングにおいて、アジア企業の順位上昇が一段と顕著になってきています。とりわけ、近年は中国企業の時価総額が急増しています。

「非国有」のIT企業の台頭

2019年時点の時価総額ランキングでは、アリババ、テンセントが世界全体のトップ10に入っています。一方で、2016年にアジアで1位だった韓国のサムスンは順位が下落。アリババとテンセントに大きな差を付けられました。

国営の銀行やエネルギー会社

以前は、中国の大企業といえば、金融、エネルギー(石油会社など)、通信部門といった国営企業でした。現在でも国営企業の存在は大きく、時価総額ランキングでも、中国工商銀行、中国建設銀行、ペトロチャイナなどが上位に位置しています。

中国の人口規模や今後の経済の拡大予想をふまえると、これらの企業の時価総額が大きいのはある意味当然のことでしょう。しかし、これらの国有企業よりも大きな価値があると見られているのが、アリババ、テンセントなどの民間IT企業なのです。

中国平安保険が急成長

金融業界でも民間企業の伸びが目立ちます。例えば、「フィンテック」を活用した中国平安保険。1988年に深セン(シンセン)市で社員わずか13人の小さなベンチャー保険会社として設立されました。フィンテック技術を強みとしており、ビッグデータの活用に熱心です。

健康診断アプリ

中国平安保険は、「平安グッドドクター」というアプリを提供しています。医師にデータを送ると、2分間で診断結果が返ってきます。病院に行くときには、医師を選んで予約できます。ウオーキングをするとポイントがたまり、換金できます。このサービスは、2億人ものユーザーを獲得しています。

中国は安い労働力で安価な工業製品を作る国だと考えられていましたが、それが大きく変わりつつあるといえます。

台湾TSMCがトヨタを抜く

一方、台湾では、台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー(TSMC、1951億ドル)が、すでにトヨタの時価総額と同規模になっています。